J-RAIL2023 開催のご挨拶

 J-RAILは,土木工学,機械工学,電気工学,交通の研究者及び技術者が一堂に会して,鉄道技術および政策における研究成果の発表を行い,相互理解を深めることを目的としたシンポジウムです.1994年より機械,電気,土木の3学会が毎年交代で主催しておりまして,30回の節目の年となる今年度は,土木学会(土木計画学研究委員会)が担当いたします.
 さてご承知の通り,わが国の鉄道は昨年開業150年を迎え,これを記念した様々な行事が開催されました.一方で,2020年以降の新型コロナの流行は鉄道経営に多大な影響を及ぼし,持続可能なサービスの提供が重要な政策課題となっています.また,カーボンニュートラル(CN)への対応や激甚化する自然災害対策など,社会的な責任も増しています.このような変革期を迎えている鉄道においては,近年進展が著しいICTやAIなどの新技術を積極的に活用し,課題解決を図っていくことが期待されています.その意味で,鉄道分野の技術者及び研究者が,専門分野のみならず分野横断的なテーマを含めて幅広く議論する機会であるJ-RAILの役割も大きいものと認識しております.
 今回のJ-RAIL2023では,通常の講演セッションのほか,創設以降の30年間の鉄道を総括し,今後の展望を議論する特別セッションを予定しております.関係の皆様におかれましては,ぜひ論文投稿とシンポジウムへのご参加をお願い申し上げます.

2023年7月

J-RAIL2023実行委員長
日本大学教授 金子雄一郎